安倍晋三首相のアホ発言が炸裂した今年…
「私は立法府の長」は流行語大賞レベルだった!
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ批判の毒矢
失言について 二〇一六年五月二三日 安倍晋三の国会答弁
「もしかしたら言い間違えていたかもしれない。
基本的には行政府の長とお答えしている。」
二〇一六年五月二三日、安倍は国会で「立法府の長」発言について「もしかしたら言い間違えていたかもしれない。基本的には行政府の長とお答えしている」と釈明。
「もしかしたら」ってなに?
「基本的には」ってなに?
基本的ではないケースは存在するのか?
さらに安倍の発言は議事録で「行政府の長」に修正されていた。
民進党の山尾志桜里は、「議事録を書き換えることは、歴史を改竄することだ」と批判。また、「学校に忍び込んでテストの答案を書き換えるようなもの」と喩えた。
ホラ吹きがどれだけホラを吹いても記録自体が修正される。
昔、そんな小説を読んだことがある。
ジョージ・オーウェル(一九〇三~五〇年)の『一九八四年』の主人公である役人ウィンストンの仕事は、歴史の改竄である。「党」にとって都合が悪い過去の事実を抹消し、新たに歴史を捏造する。そこでは、言葉の破壊活動が継続的に行われている。
「ニュースピーク」は、「党」が英語をもとに作成した架空の言語であり、その目的は「党」に反する思想を考えられないようにすることだ。
語彙の削減、意味の反転、略語の作成、イメージの置き換え……。たとえば強制収容所を「歓喜キャンプ」と言い換える。平和省は戦争を維持し、豊富省は国民から搾取し、真理省は歴史を改竄し、愛情省は尋問と拷問を行う。